サハラ砂漠にゴミを撒く理由は?なぜ砂漠化しているの?緑化計画とは?


サハラ砂漠にゴミを撒く日本人の話、ご存知ですか?

砂漠をゴミで汚すなんて・・

ではなく、砂漠を緑の農地に変えるためのキーワードがゴミなのです。

いったい何がどうなっているのでしょう。

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サハラ砂漠に撒くゴミとは

西アフリカにある最貧国ニジェールで都市から出るゴミを集めて砂漠にまいて農地をつくる日本人がいるという。
その人物は京都大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の大山修一准教授で、彼は2000年から首都近郊の村でフィールドワークを続けている。
(朝日新聞より)

ニジェールの首都ニアメで出る生活ごみを、砂漠に建設したフェンスの中に入れて緑化するというのです。

一部とはいえ、実際に農地化に成功しているからすごいです。

ゴミといってももちろん粗大ごみの類ではなく、生活ごみ(生ごみ)なのです。

微生物がゴミを分解醗酵して、栄養豊かな土壌に変える・・いわゆるバイオの力。

単純にそんなイメージだったのですが、もちろんそんな簡単なものではありません。

また、生活ゴミはどこから持ってきてもいいというものではないのです。

現地の人の暮らしから出るものだから、緑化したのちに現地の人の必要な農作物に変わっていくのです。

ゴミを砂漠に撒いてから5年かかって、人間の食用や家畜の飼料となる林やヤブができあがるというサイクルです。

このプロジェクトのすごいところは、アフリカの中でも最貧国といわれているニジェールにおいて、食糧事情を改善し、生活向上に貢献しているということです。

砂漠化する原因のひとつである風を、デメリットからメリットに変えて利用しているということ。

シロアリの特性を生かして、共栄共存すること。

半乾燥地においては、地上では人間が、地中ではシロアリが支配していると言われています。

まさに自然と一体になって、環境改善に取り組んでいるのですね。

そして、結果として「農耕民と牧畜民が仲良く暮らす」環境作りとにつながっていきます。

ニジェールでの取り組みの様子は、このサイトで読むことができます。
 ↓↓
国際協力機構ニジェール支所便り2017年10月号の記事

サハラ砂漠が砂漠化した理由とは

数千年前(5,000年~8,000年前と考えられてます)のサハラ砂漠は、大きな河が流れる緑豊かな土地だったようです。

長い時間の中で砂漠化していったのですが、一番の原因というのが気候変動による乾燥というのが定説です。

地球規模で寒冷化すると、大気中の飽和水蒸気量が減少して降雨量が減ります。

降雨量の減少で土壌が乾燥し、最終的には干上がり砂漠化します。

湿度の高い豊かな土地から乾燥した不毛な土地へと、数千年かけて変化していったと考えられます。

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サハラ砂漠の緑化計画とは

サハラ砂漠の拡大は深刻な食糧難をもたらしていて、そこに暮らす人々の生活は困窮を極めているのが現実です。

そのため、民族間の争いも後を絶たないのです。

砂漠の緑化計画は、長年議論されてきたものです。
様々な取り組みがあるなかで、大きく2つのプロジェクトが稼働しています。

「巨大な緑の壁」プロジェクト

ひとつは、大きな組織で動く「巨大な緑の壁」プロジェクト。
サハラ砂漠の南側を東西に走るサヘルと呼ばれる地域に、植林で人工の森林ベルトを作っていくというもの。

2007年に発足したこの取り組みは、サヘルに位置する11か国が共同でサハラ砂漠の南端に植林していき、砂漠の南進を防ぐとともに、サヘル地域における干ばつや食糧不足、貧困といった問題にも対処していくことなどを目標としています。

(*サヘルに位置する11か国は次のとおりです。
ジブチ、エリトリア、エチオピア、スーダン、チャド、ニジェール、ナイジェリア、マリ、ブルキナファソ、モーリタニア、セネガル)

最終目標として・・2030年までに

・アフリカの5,000万ヘクタールの土地の回復
・2,000万人への安定的な食糧供給
・35万の雇用の創出
・年間約2億5,000万トンもの二酸化炭素の吸収など

「巨大な緑の壁」とは、地球規模での温暖化対策にも取り組むことを目指す一大プロジェクトでもあります。

現在では、砂漠化は自然環境だけの問題でなく、そこに暮らす人々による過放牧など人為的な影響もあると考えられています。

*過放牧とは・・
土地の広さや生産力より家畜数が多すぎるために、草地の再生力が追い付かず土地が痩せてしまうこと。

アフリカでは爆発的に人口が増加していることもあり、食糧問題は大きな課題となっています。

現地の人々の暮らしを考えると、なかなか理想通りに進まないのが現状のようですね。

砂漠に生活ゴミを撒いて農地に変えるプロジェクト

もうひとつは、この記事の冒頭で紹介したもの。
京都大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の大山修一准教授が中心となって進められているプロジェクトです。

2015年10月に三井物産環境活動助成を受け、開始されました。

プロジェクト名は・・
「西アフリカ・サヘル地域における都市の有機性廃棄物と家畜を利用した緑化活動」

ゴミ(有機性廃棄物)と家畜で緑化とは、どういう仕組みなのでしょう。

砂漠化した荒廃地に都市のゴミを投入し、そこに植物が生育してきたことがきっかけとなったようですね。

簡単に説明すると・・

*[乾季]砂漠地に都市ごみを投入
 厚さ10㎝になるようゴミをならす
  ↓
 ゴミが風による飛砂を受け止め堆積場に変える
 ゴミには多数の有機物が含まれ、シロアリの餌となる
  ↓
*[雨季]シロアリが飛翔してきて巣(コロニー)を作る
 シロアリが作った地中のトンネルを通じて、ゴミに含まれた雨水が地中に浸透する
  ↓
*[緑化]ゴミとして混ざっていた植物の種子が芽を出し生育
  ↓
 牧畜民の家畜のえさにする
 家畜の糞によって土壌に栄養を補給
  ↓
*一部の樹木の種子は家畜の胃を通り、発芽が促進される
  ↓
*家畜の糞に混ざった種子から樹木が生える
 人や家畜が日常で利用する樹木が増える
 

都市ゴミには住民が利用した作物や有用植物の種子がたくさん含まれています。

雨季になるとその種が発芽、生育します。

だから、生活に根差したゴミが必要となるのです。

家畜が草を食べ、糞をすることによる循環作用で土壌が肥えます。

そして緑化による大きなメリットが
  ⇓⇓
農耕民と牧畜民との争いが減る

8月から11月にかけて作物を巡って争いが頻発。
農耕民の作った作物の収穫時期に、牧畜民の家畜が畑を荒らし、作物を食べてしまうのです。

このプロジェクトの中心人物、大山修一准教授の言葉に心が震えました。

「都市ゴミによる緑化を、農耕民と牧畜民の紛争予防に使おうというのが、わたしのプロジェクトのもくろみです。」

まとめ

砂漠の緑化プロジェクト、最初知ったときには
日本人が携わっているということが、単純に嬉しかったです。

知ってみると、地に足のついたプロジェクトで、心から応援したくなりました。

土地に根付いたもので緑化を促す点が、これまでにない発想ですね。

確かに生ごみを見れば、どんな食生活かわかります。

現地の人が必要とする有用植物は何か・・。
ゴミの中に答えがあったということです。

これからも注目していきたいプロジェクトです。

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