高齢者に多い隠れ脱水が熱中症を引き起こす?症状の見分け方と対策は?


熱中症とは、高温・多湿の環境に身体が適応できないことで引き起こす様々な症状の総称です。

暑い日差しの中で発症するとは限らず、屋内でも熱中症の危険があります。

特に高齢になると、体温調節機能が衰えてきます。

また暑さに対する感覚も弱くなり、対策が遅れてしまいがちです。

ここでは、高齢者(65歳以上)のいる家庭での熱中症対策について書いています。

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高齢者に多い隠れ脱水と熱中症との関係

かくれ脱水という言葉をご存知ですか?

「かくれ脱水」とは、体液の1~2%が失われ、脱水症の前段階になっているのに本人が気づかない状態を言います。

体内の水分量は、大まかに言って新生児=70% 成人=60% 高齢者=50%です。

高齢者は身体の水分量が少なくなっているうえに、

・暑さや寒さを感じる皮膚感覚が鈍くなっている
・体温調節機能が衰えてきているため汗をかきにくい
・のどの渇きを覚えにくくなっている

これらが原因となり、脱水症状を起こしやすい状態にあると言えます。

熱中症は脱水症が重症化したものです。

かくれ脱水の段階で対策することが、熱中症予防につながるのです。

高齢者の熱中症の見分け方

熱中症は、重症度によって3つの段階に分けられます。

熱中症【重症度I度】

・手足がしびれる
・めまい、立ちくらみがある
・筋肉のこむら返りがある(痛い)
・気分が悪い、ボーっとする

対処法

涼しい場所に移動します。

冷やした経口補水液、冷やした水分・塩分を補給します。
自分で飲めることを確認。

必ずそばで見守ります。
高齢者が発症すると、短時間で重症化しやすいので注意が必要です。

症状の改善が見られなければ、病院へ。

熱中症【重症度Ⅱ度】

・頭ががんがんする(頭痛)
・吐き気がする・吐く
・からだがだるい(倦怠感)
・意識が何となくおかしい

対処法

Ⅰ度の処置に加え、

衣服をゆるめ、身体を冷やします。

首の横、わきの下、鼠径部などに氷嚢や冷やしたペットボトルなどを置きます。
水をかけたり、うちわなどで煽いで熱を逃がします。

自分で水分・塩分を摂れない時や
症状の改善が見られなければ、病院へ。

熱中症【重症度Ⅲ度】

・意識がない
・体がひきつる(けいれん)
・呼びかけに対し返事がおかしい
・まっすぐに歩けない、走れない
・体が熱い

対処法

救急車を要請して直ぐに病院へ。

救急車が到着するまで、身体を冷やす処置は続けます。

高齢者は我慢強く、家族に迷惑かけまいとして何でもないようにふるまうことがあるので、注意深く観察することが大事です

熱中症の危険な症状をおさらいしておきます。

次のような症状があれば、すぐに救急依頼です。

・高い体温
・赤い、熱い、乾いた皮膚
(全く汗をかかない、触るととても熱い)
・ズキンズキンとする頭痛
・めまい、吐き気
・意識の障害  
(応答が異常である、呼びかけに反応がないなど)

参照:熱中症環境保健マニュアル(環境省)

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高齢者の熱中症対策

【暑さ対策】
・暑い日、暑い時間帯は外出を控えます。 

・エアコンや扇風機を使って室内環境を整えます。
 (室内温度を28℃を超えないように)

・すだれ、よしずやグリーンカーテン等を使って、風通しの良い日陰をつくります。

・吸汗・速乾素材の衣類を着用します。
 
・外出時は帽子や日傘で直射日光を防ぎます。

【水分補給】
・のどがかわかなくても、定期的に水やお茶(麦茶など)を飲みます。(1.2L)
 (お茶・梅干しで美味しく塩分クエン酸補給です)
 利尿作用あるカフェインは避けます。

・3食の食事で水分補給(1.5L)
 きゅうりやトマトなど水分の多い夏野菜も積極的に摂ります。

【バランスの良い食事】

【質の良い睡眠】
・熱帯夜には一晩中エアコンを使います。
(気持ちよいと感じる温度+1℃で設定)

【体力つくり】
・運動+30分以内の牛乳摂取 ⇒ 熱放射能力を改善

高齢者の熱中症対策で、習慣づけておきたい事は次の3つです。

*定期的な水分補給

*部屋の温度・湿度を測る

*身体を動かし、1日1回汗をかく

まとめ

高温多湿の日本の気候は、身体に大きなストレスを与えます。

身体がだるく疲れやすくなったり、食欲が減退したり。

「なんだか普段と様子が違う」と感じたら、声をかけて反応をみましょう。

また夏の時期には、緊急時の対策として経口補水液経口補水ゼリーを冷蔵庫に常備しておくことをおススメします。

脱水症になると後遺症が残ることがあると聞いたことがあります。

熱中症対策には脱水症予防、かくれ脱水対策からです。

高齢者のかくれ脱水には要注意です。

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