毎年、生のいかなごを買って来て、釘煮を作ります。
いかなごの出まわる季節になると、街のあちこちで、いかなごを炊くお醤油の香りが漂ってきます。
「いかなごのくぎ煮」は、春の訪れを告げる兵庫県南部の郷土料理です。
年々漁獲量が減って、生のいかなごが手に入りにくくなってきました。
それでも明石に住んでいるかぎりは、少量でもくぎ煮は手作りしようと思っています。
今年(2018年)のいかなご漁の解禁日と、相場も記録しておきます。
いかなごの旬
いかなごの旬は春です。
通常2月下旬にいかなご漁が解禁となり、3月いっぱいまで漁が続きます。
去年と今年は不漁で漁獲量が少なく、3月中旬で終了となりました。
今年(2018年)の販売は、2月26日~3月17日の20日間でした。
ちなみに去年のほうが、販売日数が短く、お値段も高かったように記憶しています。
今年は30kg炊きました。
注:このページでは「煮る」を「炊く」と表現しています。
いかなご くぎ煮 の作り方
調味料や調理道具をすべて準備しておきます。
いかなごは鮮度が命
魚屋さんで買ったら急いで帰り、すぐに作り始めます。
材料の分量から説明します。
明石・魚の棚(うおんたな)商店街の魚屋さんに教えてもらったレシピです。
材料
砂糖(ザラメ)200~250g
酒 50cc
みりん 100~150cc
醤油 200cc
水あめ 大さじ1
*しょうが ⇒ 洗って皮付きのまま千切り50~70g
以上を基本に、いかなごの大きさや味の好みで分量を加減します。
サイズが小さければ、調味料多めに。大きければ少なめに。
お好みでどうぞ。
*ゆずの皮 ⇒ 白いワタの部分を取り除いた皮の千切り(ゆず1個分)
*実山椒 ⇒ 大さじ1弱
*くるみ ⇒ 熱湯に入れあく抜きをしたうえで、食べやすい大きさに
調理道具の準備
・ざる 2ケ(水切り用と煮汁切り用)
・鍋
・あく取り用おたまとボウル
・落し蓋用アルミ箔(5~6か所に穴を開けておく)
・菜箸
・うちわ
すべての材料を測り、道具を揃えてから始めます。
作り方
[いかなごを洗う]
いかなごは洗い桶に入れて、優しく洗います。
小さなイカやわかめの切れ端、鯛の子、のれそれ等が混ざっていることがあります。
水が澄むまで、何回か繰り返してください。
[ざるにあげて、水切り]
10分以上おいて水を切ります。
[調味料を鍋に入れて沸騰させる]
鍋にすべての調味料を入れ、火にかけます。(強火)
ザラメが溶け、ブクブク泡だったら、いかなごと生姜を入れていきます。
[いかなごと生姜を1/3入れる]
水を切ったいかなごと生姜を、分量の1/3ずつ鍋にいれていきます。
バラバラと入れるのがコツです。
↓
沸騰したら、次の1/3のいかなごと生姜を入れます。
↓
再び沸騰したら、最後の1/3を入れます。
*沸騰したところに入れることで、いかなごの身がしまります。
[あくとりと落としぶた]
あくをとり、アルミ箔の落としぶたをします。
強火のままで、しばらく炊きます。
↓
煮汁が減ってきたら、落し蓋をとって炊きます。
↓
[鍋を返して混ぜる]
煮汁が少なくなったところで、鍋を返して全体を混ぜます。
焦げないよう注意しながら、煮汁がなくなるまで繰り返します。
この間、目を離さないようにしてください。
ここまでは、箸は使いません。
火加減は、最初から最後まで強火です。
[火からおろして最後の仕上げ]
鍋の底に煮汁がほとんどなくなり、焦げる手前で火を止めます。
↓
浅ざるに移します。
この時、残っている煮汁があるので、ザルの下にお皿を受けてください。
なべに付いたイカナゴを菜箸でざるに移します。
↓
うちわであおいで冷まし、テリを出します。
作り方のポイント
大事なポイントを書いておきます。
*いかなごは数回に分けて入れる。
*手で丁寧に、バラバラとくっつかないように入れる。
*途中、箸などで混ぜないこと。
生いかなご1kgを炊いて、完成したくぎ煮は600gほどになります。
後片付け
イカナゴを炊いた後は、部屋中お醤油のにおいで充満します。
洋服や髪の毛にもにおいがつきます。
使ったあとの調理道具は、すぐに洗ってください。
窓を開けてても、換気扇をまわしてても、においがしみつきますのでご用心くださいね。
いかなごの相場
年々いかなごの価格はあがる傾向にあります。
今年は2月26日に 2,500円/kg から始まり、2,900円/kg
3,400円/kg 2,200円/kg と推移しました。
魚屋さんには、1日に何回か入荷します。
仕入れによって(獲る場所が違うので)値段は変わります。
そのため隣の魚屋さんと売値がちがう、ということはあり得ます。
(もちろん大差はないですよ。)
去年は、4,000円/kg 位だったと思います。
まとめ
2月に入るとまず試験漁があり、いかなごの生育状況を見て、解禁日が発表されます。
大阪湾から播磨灘を通って岡山・香川あたりまで漁場でしょうか。
いかなご漁は、早朝から船がでます。(日曜日はおやすみ)
船のエンジン音を聞くと、なんだかそわそわ落ち着きません。
漁が解禁になると、魚屋さんの前には多いときで20~30人が列を作ります。
この2年は少なくなったとはいえ、10~15人は並んでいました。
これも春の風物詩ですね。
来年も、いかなごのくぎ煮が作れますように。