高齢者の転倒は自宅も多い?時間帯は関係あるの?防止策はどうする?


高齢者の転倒を考えるときに、高齢者自身の内的要因と生活環境による外的要因があります。

ここでは、外的要因に関して書いています。

バリアフリー住宅でなくても、転倒防止策としてできることはたくさんあります。

生活環境を家の構造やインテリやなどから、見直してみませんか。

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高齢者の転倒は自宅も多いって本当?

高齢者の場合、転倒が重篤なケガになってしまったり、そのまま寝たきりになってしまうケースが見られます。

要介護となる原因の中で、「転倒・骨折」は12.2%

そのうち転倒した場所が自宅というケースは、全体の10%という調査結果がでています。
(内閣府「高齢社会白書」による)

10人に1人ということですが、言い換えれば、10回に1回は家の中で転ぶということ。

また、10回に1回の割合で骨折までのケガにつながっているのです。

せめてこの家での1回を防ぐことができたら・・。

若くて元気な時は気づかなかったのですが、家の中は危険がいっぱいです。

乳幼児や小児がいるときには、コードの線や机の角など気をつけていたことも、子供たちが成長するとともに失念してしまいがち。

自分がじゅうたんの端につまづきかけて、ハッと、危険性に気づくことも往々にしてあります。

5mm~1cm程度の段差であってもつまづきの原因になるのです。

もちろん高齢者に限らず、転倒には病気や薬の影響などでのふらつきや脚の衰えなども関係します。(内的要因)

高齢になっても安心して暮らせる家であるよう、できるところから生活環境を見直しておきたいですね。

[家の中でケガをすること、させること]だけは、避けたいです。

高齢者が転倒しやすい時間帯とは?

時間帯によっても、転倒のリスクは変わってきます。

「日中起きている時間は、動き回る分転倒する可能性も高くなる。」
・・と、思ってました。

ところが、実際には夜間の転倒事故が多いのだそうです。
理由を知って納得。

どういう事かというと、
高齢者は夜間睡眠時にトイレに立つことが多くあります。

その際に転倒が起こりやすいのです。

つまり寝室とトイレを往復する時間帯ということです。

・夜間で薄暗いため段差が見えにくいということ、
・低血圧で立ちくらみを起こしたり、
・薬剤の影響で、夜間にもうろうとしたり、筋肉が弛緩してて踏ん張りが効かなかったり、
ということが起きているのです。

高齢者でなくても、夜間は日中に比べて注意力散漫になっていることも否めませんから。

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高齢者の転倒防止策

バリアフリー住宅であれば理想ですが、少しづつでもバリアフリーに近づければ良いのです。

転倒防止策をできるところから始めておきましょう。

住宅環境を整える

・段差を極力なくす
・手すりをつける
・滑り止めをつける
・家の中での動線を考える
・注意を促す目印をつける

具体的に部屋別に見直してみます。

玄関

*玄関までの動線に手すりがあれば望ましい

*上り框に段差を少なくするため、足置き台を置く

*手すりをつける

*玄関マットは下に滑り止めを置く

リビングルーム・ベッドルーム

*スムーズに開け閉めできる引き戸が望ましい

*歩きやすいように床には物を置かない

*扇風機や暖房器具の配線コードに注意
(引っかかる危険性があるので、動線上には置かない)

*カーペットやじゅうたんは端がめくれないよう、両面テープなどでしっかりと固定
(できれば部屋の大きさに合わせたカーペットが望ましい)

*テーブル(ベッド)や棚の角に緩衝材をつける

*テーブルクロスは滑りやすいので使用しない

*椅子は低めのイスで、座りやすく立ち上がりやすいものに

バスルーム

*脱衣場の足ふきマットは床に固定する

*洗い場にすのこを敷く
(脱衣場と風呂場の段差をなくすため)
(洗い場と浴槽の縁との高さを、またぎやすい40cm前後に調整するため)

*浴槽内に滑り止めマットを敷く

*洗い場にはシャワーチェアを置く

*浴槽や洗い場で立ち上がる時に補助する手すりをつける
(しっかり固定できる吸盤タイプの手すりは、ホームセンターで手にはいる)
(時々強度をチェックすること)

キッチン

*よく使う食器や調味料などは、手に取りやすい場所にしまう

*床の材質は水や油がこぼれても滑りにくいものにする
(キッチンマットを使用する場合は、必ずマット用の滑り止めを使い固定する)

トイレ

*便器までの動線に手すりをつける

*立ち上がりやすいように補助する手すりをつける

廊下・階段、その他

*手すりをつける

*階段には物を置かないようにし、動線を確保する

*階段の格段の縁に滑り止め(蛍光の滑り止めテープでも良い)をつける

*段差があるところには、ミニスロープで段差解消

*夜間は常夜灯で足元を照らす

服装を整える

転倒しにくい靴下や靴
・滑り止めのついた靴下や靴を履く
・つま先の上がりやすい靴を履く

動きやすい服装にする
・サイズが合ったからだを動かしやすい服を着る

廊下や階段は滑りやすいので、履く靴下でも対策をしておくといいですね。

また高齢になり筋肉が減ると、足が上がりにくくすり足気味の歩き方になっていきます。
少しの段差でもつまづきやすくなる理由です。

服装は、洋服の一部が家具などに引っかかったりすることを避けるため、サイズを合わせること。
裾を踏んで転倒、ということもありがちですから注意したいですね。

まとめ

バリアフリー住宅にしていても、状況によっては手すりが足りなかったり、動線が実際に即してなかったり・・。

その家に暮らす家族構成や高齢者の状態で、家の内外を見直すことが必要だと感じます。

「できるだけ快適になるよう自宅を整える」
シンプルですが、大事なことです。

自宅がストレスフリーの状態に近づくよう、工夫をしていきたいですね。

また介護保険を利用することで、介護リフォームは補助金の対象となります。
状況により、自治体の窓口で相談してみることをおススメします。

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